派遣、パート、正社員など自分に合った働き方とは?

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短期、単発の派遣社員やパート……正社員だけが働き方じゃない

近年、派遣など非正規雇用者の働き方が話題となっています。
派遣法の改正などにともない、正社員が減少する一方で、派遣を含む非正規雇用者が増加し、労働者全体の4割近くになりました。

今では派遣社員として登録し、色々な会社へ派遣される働き方も一般的になっています。

しかし、派遣という働き方に関して、あまり良いイメージを持たない方も多いかもしれません。

「派遣は正社員と比べて不安定な働き方だから良くない」
「派遣は給料が正社員より安い働き方だから良くない」

このような、派遣という働き方についての意見をよく耳にします。

でも「派遣よりも正社員の方が正しい、理想の働き方だ」というような考え方は、本当に正しいのでしょうか。

女性の進出やグローバル化といった社会背景からも、正社員や派遣社員の働く環境は大きく変化しています。

特に結婚後の働き方を考えなくてはいけない女性にとって、派遣やパートとしての働き方、つまり正社員に縛られない自由なスタイルの働き方を選ぶことが女性の生き方のコツともいえます。

私たちは、正社員だけでなく派遣やパートといった「働き方を問い直す時期」にきているのです。
ここでは、派遣社員やパートのような短期、単発の非正規雇用の働き方と、正社員の働き方との違いや、そのメリット・デメリットをご紹介します。

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短期、単発で派遣社員として働くメリット

派遣やパートという働き方の特徴はなんといっても、雇用が短期や単発であるという点です。
これは派遣登録やパートのメリットでもあり、デメリットでもあります。

短期や単発の雇用であることから、派遣やパートは給与や立場が安定せず、昇進などもない働き方という大きなデメリットを抱えます。

これが、派遣やパートは正社員に比べて安定した働き方ができないという、派遣やパートのイメージを悪くしている理由の一つです。

しかし、この短期・単発の雇用であるという派遣やパートの働き方は、裏をかえせば「自分の働きたい時に、働きたい場所で働ける」というメリットにもなります。

派遣やパートで自分らしくいきいきと働くコツは、この短期・単発雇用であるというメリットを活かすことです。

かつて2007年に「ハケンの品格」というテレビドラマが放映されていましたが、派遣社員であるこのドラマの主人公は、3か月という短期の派遣契約で働き、その後3か月は就業せずに旅に出る、という働き方が描かれていました。

この派遣社員はあくまでドラマの話ではありますが、派遣という働き方のコツをつかみ活用すれば、このような働き方をすることも可能です。

正社員の働き方は安定した給与や福利厚生が得られることがメリットですが、同じ会社に長年務めることになり、社風や社内の人間関係が合わないと感じた場合にも、簡単に転職や退職を行うことができません。

もちろんこれは会社側にとっても、会社での働き方のコツやノウハウなどを教育した社員が簡単に離職することが損害になることを考えれば、仕方のないことではあります。

しかし、働き方が多様化した現代において、このように会社に縛られる正社員の働き方が「合わない」という人も少なくないのではないでしょうか。

そのような「合わない」と感じる方にぴったりなのが、派遣登録やパートのような短期・単発での働き方なのです。

また、派遣社員として登録をすれば、さまざまな業種の会社に派遣されて社員としての経験を積むことや、自分の目指す資格のために就業期間を調節したりすることもできます。

短期でありながら社員としての働き方もできることが、派遣社員がパートと大きく異なる点です。

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派遣やパートによる女性の働き方のコツ

1986年の男女雇用機会均等法の施行から早30年が過ぎ、女性が正社員として働くことは当然となりました。

特に商品開発やマーケティングから経営まで、女性による視点は会社にとって必要不可欠なものです。

しかし、女性の社会進出が進む一方で今、女性の結婚後や育児後の働き方が大きな課題となっています。

出産・育児休暇制度を活用しながら結婚後も勤めたいという女性は問題ありませんが、結婚後に専業主婦になる女性や、出産・育児のために主婦になりたい女性、また、主婦から再び働きたい女性など、家庭の事情によって希望の働き方はさまざまに変化します。

しかし正社員としての働き方は社内の平等性などから勤務時間や休暇に柔軟性が乏しく、このような女性の働き方になかなか合いません。

それに対し、この多様なニーズのある女性の働き方に最も適しているのが、派遣登録やパートといった短期・単発の働き方なのです。

結婚後に働く女性にとって、派遣やパートの持つ「自分の働きたい時に、働きたい場所で働ける」というメリットは非常に魅力的なものになります。

「子供の送迎のために短時間の勤務にしたい」「夫が転勤になったので勤務先を変えたい」といった場合にも、派遣やパートであれば対応することが可能です。

一方で、結婚後の女性が働く上で昇進などはあまり重要視されないため、派遣やパートにおけるデメリットは大きくありません。

このように、結婚後の女性が家庭と仕事を両立させる働き方のコツは、派遣やパートといった短期・単発の働き方を活かすということなのです。

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派遣社員を選択肢にいれて、自分に合った働き方を探す

派遣登録やパートといった非正規雇用での働き方は、まだ一般に広まってからそれほどの時間が経っていません。

そのため、「派遣よりも正社員の方が正しい、理想の働き方だ」という認識は高い年齢層の方を中心に根強く残っており、派遣社員だというと親や親戚から正社員を勧められた、という人も少なくないでしょう。

しかし、経済産業省が2013年に派遣社員など非正規雇用者に実施した「今後どのような働き方を望んでいるか」という調査に対して、半数は正社員で働くことを希望しない、つまり派遣社員などを望んでいるという回答が得られました。

また、2014年に日本人材派遣協会が派遣スタッフに行なったアンケートでも、67%が派遣社員を続けたいという回答をしています。

仕事と私事の両方を尊重する「ワークライフバランス」という考え方が近年広がっているように、正社員だけでなく派遣やパートといった非正規雇用の働き方も、ライフスタイルに合わせた働き方のひとつとして考えることが必要です。

正社員、派遣やパート、そのどちらの働き方にもメリットとデメリットがあります。

正社員が「合わない」と感じた人は、派遣やパートといった働き方を選ぶこともひとつの選択肢です

派遣社員と正社員のどちらが優れた働き方であるかということではなく、派遣であれ正社員であれ、自分らしく働ける働き方を選ぶことが大切なのです。